永久歯を見守り育む!!理解と環境整備を

2020年3月26日 沖縄タイムス掲載

生えたばかりの歯は歯質が柔らかく、油断すると一気に大きな虫歯ができてしまいます。
例えるならタケノコです、生えたばかりのタケノコは柔らかくて食べることができますが、成長して竹になると硬くて食べられません。
歯は生えた後、唾液や毎日の食事に含まれる、ミネラル成分を吸収することで、徐々に硬くなっていきます。しかし、むし歯になりにくい硬さに達するまでに3年はかかるといわれています。
そこで、早期に歯の質を強化し、酸によって溶けにくい歯質を獲得する方法としてフッ化物の利用があります。
フッ化物は1900年頃アメリカで、むし歯の少ない地域の人達が飲んでいた川の成分を調査した事から発見されました。まさに、自然の恵みをいただく、むし歯予防法といえます。
今ではWHO(世界保健機構)や日本の厚生労働省をはじめ、世界の150以上の保健関連団体が有効性と安全性を認め、利用を推奨しています。
永久歯は、6歳頃から生えはじめ12歳頃に生えそろいます。そして、12歳で生えてきた永久歯がやっと安心できる硬さになるのは15歳の頃。つまり、小中学生の時期は健全な永久歯の育成を慎重に見守ってあげなければならない「タケノコの時期」といえます。そして、この時期はフッ化物の利用が最も必要とされます。
新潟県では50年以上前から、県を挙げ、どのような家庭環境の子にも健全な永久歯が備わるよう、「学校でのフッ化物洗口」に取り組んできました。その結果、12歳児の生徒の半分以上にむし歯の経験がない、全国で最もむし歯の少ない県へとなりました。
鑑みて、沖縄県の子供のむし歯は全国で最も多く、1人で10本以上のむし歯を持つ「口腔崩壊」といわれる状態の子も問題となっています。
歯の健康は全身の健康へとつながる。沖縄長寿県復活へ、15歳までは歯の育成期間であるという事を周囲の大人がよく理解し、地域で永久歯を見守り育んでゆく環境の整備が早急に望まれる。

はごろもファミリー歯科 神下 太一

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