社会が守る永久歯

S__26083331.jpeg2015年5月15日 沖縄タイムス掲載
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 沖縄県の小学生の歯科検診をしていて、残念に思うことがあります。
それは、昨年検診して虫歯と通知した子の虫歯が、今年も、よりひどくなった状態で放置されている事です。そんな子がクラスに数人ではなく結構沢山いるのです。乳歯でも永久歯でも同じです。虫歯の予防もしなければ、治療もせず、むし歯菌にやられ放題といった状況です。
残念ながら、沖縄県は今でも全国で最も子供たちの虫歯の多い県でありつづけています。
 むし歯をたくさん持っている子のむし歯は、進行していることが多く、中学校卒業までに永久歯が抜歯になってしまう子もいます。 多くは、家庭環境に影響を受け、左右されています。予防意識の希薄な家庭の子は歯の大切さ、健康の大切さに気付く前に無防備に虫歯になり、簡単に永久歯を失っていきます。
 もちろん、子供達に歯や健康の大切さを説くことの継続は必要ですが、私はせめてそんな子供達が大きくなって、自分の歯の大切さに気がつき、治療に来た時点で、抜歯になるような悲惨な状態は避けたいと思っています。その為には、家庭で守れない子の永久歯は社会が守るしかないのではないでしょうか?
私は学校で行うフッ化物洗口は、社会ができる有効で効率的な方法であると考えております。フッ化物洗口とはフッ化物を含んだ洗口液で、週に一回嗽を行うことで歯の質を強化する予防法で、虫歯の発生を抑えたり、虫歯の進行を半減させる効果があります。特別な設備を必要とせず、コストも掛からないことから、保育園や学校などでも導入しやすく、九州の佐賀県や熊本県の学校ではすでにフッ化物洗口の取り組みが開始され虫歯の少ない県へ変わろうとしております。
虫歯の保有数で全国ワースト1であり続ける沖縄の子供達の虫歯はこのままでいいのでしょうか?
今一度、保護者、行政、学校、歯科医、子供をとりまく社会が子供たちに出来る事を考える必要はないでしょうか?

はごろもファミリー歯科 神下 太一

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